子宮卵管造影検査で調べると真っ先に「痛い!」、「激痛!」、「そんなに痛くなかった!」と次々に痛みについての記事や投稿が出てきます。

痛みばっかり注目されるけど実際何のために行う、どんな検査なんでしょうか?

卵管と呼ばれる細い部分に検査のための造影剤を入れるので実際痛みが伴うことが多いようです。

やっぱり痛いんだ!

だけどそんなに痛い思いをしても必要なら受けなければしょうがない!

何のために受けるのか、どんな検査で、どんな病気が分かるのか、痛みの具合はどうなのかなどを理解して検査に備えましょう。

いったいどんな検査なの?

一言で言うなら「卵子の通り道である卵管につまりがないか」を調べる検査です。

卵子は卵巣から1周期ごとに1個排卵されます。

卵子が卵管を通過する間に精子と出会い受精、子宮内膜に着床するとめでたく「妊娠」となるわけですが、卵管が何らかの理由で詰まっていたら受精することも、着床も、もちろん妊娠もできません。

膣から子宮にチューブを入れて、そのチューブから造影剤を入れて、子宮、卵管、そしてお腹の中に広がる様子をレントゲンで撮影するのです。

いつ受けるのか?

レントゲンが間違って精子、卵子、受精卵に当たってはいけないのでその可能性のない期間です。

つまり生理が終了する7日前から次の排卵が始まる10日前までとなります。

精子の侵入を防ぐため検査を受ける前の数日間は避妊が必要です。

子宮卵管造影検査によって分かる病気は?

①卵管閉塞・卵管狭窄

卵管は10cmほどの長さがありますが、幅は細いところではなんと1mmほどしかありません。

この中を卵子や精子、そして受精卵が通って行くのですが、何らかの原因で卵管が炎症を起こして詰まったり(閉塞)、狭くなった(狭窄)場合には通ることができません。

卵巣は左右に1つずつあり、1周期ごとに交互に排卵しています。

卵管のつまりが片方の場合は2周期に1度は妊娠の可能性がありますが、両方詰まっていては自然妊娠や人工授精による妊娠の可能性はありません。

その場合は手術によって卵管の癒着を剥がすか、それでも改善しない場合は卵巣から直接卵子を採り出して体外受精か顕微授精を行う方法が採られます。

②子宮筋腫

子宮内の筋肉の一部が大きくなることによる良性の腫瘍です。

大きさは顕微鏡でようやく確認できるようなものからこぶし大のものまで様々です。

大きくなると筋腫のある箇所の内膜が薄くなりうっ血や壊死、潰瘍などが生じて月経血が増え、貧血の症状が出てきます。

さらに大きくなると神経を圧迫して腰痛が生じたり、尿管を圧迫して排尿に支障をきたすことすらあります。

当然不妊の原因にもなります。

妊娠を望む場合には主要部分だけを手術によって摘出する方法が採られ、妊娠を望まないときは全摘手術を行うこともあります。

③卵管留水腫

卵管の中で一番卵巣に近い部分を「卵管采(らんかんさい)」といいます。

卵胞が育って排卵できる状態になったころにこの卵管采が卵巣のところまで行き、卵子を吸い上げる動きをします。

この動きをピックアップと言いますが、何らかの原因によりまく卵子を吸い上げられないことがあり、これをピックアップ障害と言います。

感染症等や卵管の閉塞等により卵管の体液が溜まることがありこれを卵管留水腫と言い、ピックアップ障害の一因となります。

④子宮奇形

自覚症状なく成人になり、不妊検査を受けるによって見つかることがほとんどです。

多くが先天性のもので胎児期に子宮が形成されるときにその成長が止まったことで起こると考えられます。

奇形の形態は様々であり妊娠への影響も一概には言えません。

子宮が2つある「重複子宮」や子宮の上の方にある子宮底部というところが少しこぼんでいる「弓状子宮」は妊娠後の検査で発見されることが多いです。

胎児が正常に発育している場合は手術の必要がありません。

子宮の中に内腔が二つある「双頸双角子宮(そうけいそうかくしきゅう)」(子宮口も2つ)や子宮の内腔にくびれのある「単頸双角子宮(たんけいそうかくしきゅう)」(子宮口は1つ)、子宮内部に壁がある「中隔子宮(ちゅうかくしきゅう)」については流産の原因となりやすく手術を行う場合があります。

痛みの有無は?

痛みの感じ方は人によって千差万別です。

「今までの人生で感じたことのない痛み」、「生理痛の激痛版」、「自分の力で動くことができず車いすでレントゲン室まで連れて行ってもらった」、「気絶するかと思った」という声があるのは事実。

一方「痛みは感じなかったが腰のあたりに重みがあった」、「検査中は平気だったが家に帰った後から数日間張りが残った」という人や「医師や看護師が拍子抜けするほど平気だった」もいます。

検査を実施する医師の力量によっても痛み方は大きく変わるようです。

当然上手な先生にしてもらいたいわけですが、痛みのない検査を売りにしているクリニックもあるので調べてみましょう。

造影剤の量を少なくしたり、ゆっくりと入れたり、レントゲンの画像を見ながら造影剤の量を調節したりしてくれるところもあるようです。

痛みには個人差がありますが、卵管の詰まり具合は痛みには関係ないそうです。

なんとこの検査にはメリットがある!?

痛みと恐怖に耐えて検査を受けたご褒美じゃないけど、軽度の閉塞や狭窄の場合は卵管に造影剤を入れることによって状況が改善されることがあります。

造影剤によって卵管が広がり精子と卵子が受精しやすくなるというではないですか。

実際に検査後は妊娠する確率が上がるというデータまであるのです。

子宮卵管造影検査の後に妊娠の確率が上がるのは6ヵ月間で、この期間のことを「ゴールデン期間」と呼んでいます。