体外受精と顕微授精の違い!受精方法と精子の数、費用が違う

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顕微授精」って聞いたことありますか?

「けんび」ってつくから「顕微鏡」を使って授精させるのかな?

その通り(*^_^*)

では早速「体外受精」と「顕微授精」の違いについてご説明します。

 「顕微授精」と「体外受精」の方法はほとんど同じ

男性の体から精子を女性の体から卵子を採り出して、培養士が精子と卵子を受精させて受精卵を胚になるまで育てそれを医師が女性の子宮に戻すのです。

1つだけ異なるのは、「体外受精」は1個の卵子に対して約10万個の精子を使って受精させるのですが、「顕微授精」は顕微鏡を用いて1個の精子を取り出して授精させる点です。

1個の精子を採り出して授精させる技術が必要なのでその分費用がかかりますが、受精する確率が高まります。

「顕微授精」の対象となるのは通常の「体外受精」では受精が難しい場合です。

具体的には…

重度の男性不妊症(重症乏精子症、不動精子症、精子無力症、精子奇形症etc…)で精子の数が極端に少なかったり、動きが悪かったりなどの理由で体外受精では受精することが難しい場合です。

また既に行った体外受精での受精ができず、受精障害が確認された方も対象となります。

方法は通常の「体外受精」とほとんど変わりません。

 1.ホルモン剤や排卵誘発剤を用いて排卵させる

2.採卵・採精する
卵子は麻酔をかけて女性の膣内に直接器具を挿入して取り出す。

精液は男性が自宅か病院で自分で容器に取り出したものを培養士が薬品と遠心分離機を使って元気のいい精子だけを採り出す。

3.受精させる ←ここの方法が異なる

※「体外受精」が1個の卵子に対して約10万個の精子を用いて受精させるのに対して「顕微授精」は顕微鏡を用いながら精子を専用の針(極細ピペット)で1個だけ捕まえて卵子の透明帯を貫通させ細胞質の中に直接注入させるのです。

「2.」で採精したものをそのまま卵子にかけるのが「体外受精」、さらに1個だけ取り出して卵子の細胞質内まで届けるのが「顕微授精」。

4.受精卵を培養する

5.子宮に戻す
なのでクライアントが受ける不妊治療の内容は全く同じです。

気になる費用の違い

「体外受精」は30~50万円とされていますが、「顕微授精」は「体外受精」に比べて受精させる工程が複雑になります。

そのための技術料が上乗せされるので体外受精に比べて6~7万円ほど高くなります。

卵子を複数個採り出し、着床に適した受精卵を複数個作るために顕微鏡を用いた授精を何度かくり返します。

病院によってはその工程が増えるたびに値段が上がり、100万円近くになることもあるので事前に確認してください

なお「顕微授精」は保険が適用されませんが「特定不妊治療費助成制度」に基づく補助金が出ます。

自治体によって異なりますのでお住いの市町村のホームページ等で確かめてください。

「体外受精」と「顕微授精」の歴史

「人工授精」や「体外受精」は聞いたことがあっても不妊治療に関心のない場合、「顕微授精」を知ることはほとんどないでしょう。

しかし現在日本で行われている「体外受精」の半数以上はこの「顕微授精」なのです。

「顕微授精」は通常の「体外受精」よりも費用が高くつきますが、受精する確率が高いので広く普及しています。

1978年世界で初めてイギリスで「体外受精」の赤ちゃんが誕生して以来、急速に世界に広がりました。

しかし精子の数が極端に少なかったり、運動率が極端に低いなどの重度の受精障害のある場合は「体外受精」でも受精、妊娠することが難しい状況が続いていたのです。

ところが1992年にベルギーで卵子の細胞質内に直接精子を注入する方法を用いての妊娠例が報告されて以降、重度の受精障害のある方が妊娠、出産できる可能性がぐっと広がったのです。

日本では1983年に初めての「体外受精」による赤ちゃんが誕生し、現在では年間約2万人が「体外受精」によって生まれています。

また日本初の「顕微授精」による赤ちゃんが誕生したのは1994年でした。

「受精」と「授精」の違いについて

なお、余談ですが「受精」と「授精」の違い、分かりますか?

なんとなく読んでいたら気づかずにいることも多い、「受精」と「授精」。

「人工授精」と「顕微授精」は「授精」を使い、体外受精は「受精」を使うのです。

なんで???

キーボードをたたいていると「じんこうじゅせい」は「人工授精」、「たいがいじゅせい」は「体外受精」に「けんびじゅせい」は「顕微授精」にちゃんと変換してくれます。

技術的は「体外受精」と「顕微授精」はほとんど同じだから一緒の漢字を使いそうなものだけど違うのです。

じゃあその行為をいうの???

そうです。

「授精」の「授」は「授ける」って意味でしょ。

人工的に精子を子宮内に入れたり、特殊な針を使って精子を卵子に送り込む行為が「授ける」に当たるので「人工授精」、「顕微授精」と書く。

対して「受精」は精子と卵子が融合する現象のこと。体外受精は精子を卵子に振りかける行為は人工的に行うけど、そのあと融合するかどうかは自然に任せるので「受精」という漢字を使うのです。

「人工授精」でも精子を注入した後、「受精するかどうかは分からないじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、注入する「行為」のことをさすので「人工授精」でいいのです。

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