睾丸(精巣)は精子を冷やすために危険をかえりみず体の外に出た

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大切な臓器は体の中にあります。脳は頭蓋骨に守られておりちょっとやそっとの衝撃では傷つきません。

心臓や肺も肋骨によって保護されています。転倒して腕や足を怪我することはあっても直接心臓や肺を傷つけることはないでしょう。

胃や腸、肝臓、腎臓は骨にはガードされていないけど割と体の奥にあります。交通事故などよほどのことがない限りは衝撃を受けないよう保護されているのです。

人間の体は実によくできており、生命を維持していくために最適な場所にそれぞれの臓器や器官が配置されています。

それなのに子孫繁栄に欠かすことのできない睾丸(精巣)が体の外に出ているのか不思議に思いませんか?

生命維持の観点から言えば重要度が低いから?

そんなことはありません。

確かに1個の個体として考えれば生殖能力がなくても生命の維持は叶いますが子孫を残すことができなければ種族としては滅亡してしまいます。

太古の昔から生き延びてきたことを思い起こせば人類は生殖能力が強かったとしか考えられません。

それではなぜ、それほど重要な生殖器官である睾丸(精巣)が体の外に出ているのでしょうか?

睾丸(精巣)が外に出るのは危険と隣り合わせ

なんと表現すればいいのでしょうか?男なら誰でも経験しているあの痛み!

身体の他の場所を打った時とは全く違います。

ジワーッとくる感じ。玉の奥、さらに腹の奥までくる感じ。全身が身震いをする感じ。

足先や上半身でも感じます。顔も当然ゆがむ…

息も止まる…

女の人に説明してもなかなか理解してもらえません。

って言うか一生無理です(笑)。

蹴られて飛び上がる姿は笑いごとではないのです。

ピッチャー返しをまともに食らった投手が「一日中氷で冷やしてた」って聞いたけど、もう少しひどかったら手術して摘出しなきゃなんなかったんですって。

小学生ぐらいの子どもが鉄棒の上を歩いていて足を滑らせ、まともに股を打った話を聞いたことがあります。身の毛がよだつとはこのことです。真ん中に垂れ下がっているのは危険すぎます。

無防備にもほどがある…

何とかしなければなりません。

いざというときは防御機能が働いて皮が縮こまってちょっとだけ奥に収まります。

野球や格闘技、その他スポーツでは専用のプロテクターを使用することもあります。

それでも完全に危険が回避されたわけではありません。

そんなに大事なら「体の中に隠しておけ」って話です。

大事なものは隠すのが当然。だから心臓や肺は肋骨に守られています。

脳にも頑丈な頭蓋骨があります。胃腸も割と体の奥にある。

それなのに、それなのに、それなのに…

あそこはどうしてこんなにも無防備なの???

「急所」として有名になったので攻撃の対象にさえなっています。

怖すぎます。

世界の色んな格闘技や武術でも金的と目への攻撃だけは禁止されています。

それだけ危険だということです。

ルール無用の夫婦喧嘩では十分注意してください。ほんとうにやばいです。

それでも 睾丸(精巣)が体の外に出なければならなかった決定的な理由

いやー、人間の体は実によくできています。神様はあるべきところに必要なものを配置したのです。危険を冒してでも睾丸はここにいないといけなかったのです。

睾丸には大切な役割があります。子孫を反映させるために必要なものをせっせと作らなければなりません。

そう睾丸(精巣)は精子を作っているのです。

精子を作る場所は生命維持の観点からは脳、心臓、肺、胃腸などに比べて優先順位が低いから、そのため外に放り出されたのかと思ってしまうけどそんなことはありません。

原生生物の時代から子孫繁栄は死活問題です。

とても大事なのです。子どもができなければ種が途絶えてしまうのですから…

子孫繁栄に欠かせない精子には弱点があります。

そう精子は「熱(ねつ)」に弱いのです。

人間の体温は通常36.0℃~37.0℃ぐらいですが、これは体の表面温度の話。

体の中はいつも37.2℃~38℃ぐらいあります。

一方睾丸(精巣)は体の外にあって35℃前後に保たれているので健康な精子を育むことができるのです。

体の中にあったら熱に弱い精子は死んでしまうか、とても弱ってしまいます。

とても繊細なんです。

熱を開放することができる素晴らしい仕組み

睾丸が伸び縮みすることをご存知ですか?

正しく言うと伸縮するのは睾丸ではなく、それを包んでいる袋なのです。

よく見ると男性の睾丸は寒いときには縮こまり小さくなっています。冬のお風呂に入る前なら確認できるはずです。これは熱を逃がさないためです。

いくら熱に弱いと言っても冬の寒さからは守らなけれなりません。35℃ぐらいが最適なので真冬の寒さにさらされたら大変です。

反対に皮がダラーッと伸びているときは熱を開放するときです。暑い夏には熱を逃がさないといけないので睾丸がより下に下がっているのです。

気温以外の理由でも皮が伸縮することがあります。緊張しているときには縮こまります。怖い思いをしたら縮こまるということもあるのですが、走ったり戦ったりするときにダラーッとしてたら邪魔だからコンパクトに収納しているわけです。

睾丸(精巣)を不必要に温めてはいけない

元気な精子を作るためには熱いお風呂やサウナが危険と言われます。早めに出るかぬるめのお湯に時間をかけて入る方が無難です。

ポットカーペットも気を付けましょう。まともに温まりますから。

あと熱とは関係ないけど自転車の乗りすぎには注意が必要です。

特に股を強くこすってしまうスポーツ用の自転車には注意してください。専用のがーぞパンツの購入をお勧めします。

精子が温められてしまう病気もある

「停留精巣(ていりゅうせいそう)」という男性不妊の原因となる病気があります。妊娠2か月ぐらいの頃、睾丸は体の中にあるのですが、徐々に降りてきます。

普通は体の外に出た状態で生まれてくるのですが、特に早産の場合、体の中に残ったまま生まれてくることがあるのです。生後6ヶ月頃までは自然に下りてくることも期待できるのですが、1年を過ぎても降りてこなければ手術が必要となります。睾丸が体の中に残った状態では熱に弱い精子を冷ますことができません。

もう一つ男性不妊の原因として多いのが「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」です。

心臓に戻る血液が流れる静脈には血液の逆流を防ぐ便がついているのですが、精索静脈内にある弁が何らかの理由によりトラブルを起こし体内の温かい血液が睾丸に流れ込んでしまうというものです。

それにより熱に弱い精子が死滅したり、その機能を失ってしまうのです。

まとめ

睾丸(精巣)が体の外にある理由をご理解いただけましたでしょうか?通常大事な器官は体の中にあるのですが、精子が熱に弱いため体の外に出ざるを得なかったのです。

寒すぎるときや身の危険を感じた時には縮こまることのできる優れものですが、突然の衝撃には弱いです。

取り扱いには十分注意してください。

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